多言語をする意味 by 高校留学に息子を送り出したママさん

その他
長男の学校で文化祭でした

今年の夏、

一人息子をYL:イヤロン(Year long=高校留学)へ送りだしたママさんが

先日 ぼそっと 言いました。

『多言語をする意味が なんか分かってきたかも。。。』

彼女に頼んで簡単な文章にしてもらったので、

まずは、それを紹介します!

*ただし、Hippoの活動内容のことばが多いので
所々注釈を入れておきます。

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多言語をする意味

昨年末に「(Hippoのファミリー活動を各地で主催している言語研究員の)フェロウをやってみようかどうか考え始めた」宣言をしてから、外の人にどうやってヒッポを伝えたらいいのか、そのことばを私自身が持ってないことに気づき、でもその事に向き合う事もなく、でも頭の片隅に置いて過ごしてきました。

日々のヒッポの中で、先週、久々にbebe体験(赤ちゃんやこどもがことばをみつけるプロセスと同じことが多言語習得において大人に起きる体験)をしたことから見つけたことです。

スペイン語のマテリアル音源の中にある
「ヌンカびあびすと〜」という音。
音源を真似してうたう度に、
「ヌンカ」って何だろう?
って引っかかってました。
先週 
別の音源場面を歌ってた時に、
同じく
「ヌンカびあびすと〜」
が聞こえてきて、
わかったかも!と思いました。

私の中には日本語で意味が入っているのですが、
何故かその時は「初めて見たのか〜」と意味が勝手に変換されていました。
場面の状況から、「初めて見た」でも間違いではないのですが、
初めては「プリメラベス」とも言うし…
ヌンカでも通じるのかな?
とスッキリしない状況で
ファミリーでこの事を話しました。

すると、(そのファミリー活動の主催者である)フェロウから
「別のシーン(かの子の手紙の「忘れることはないでしょう」ってところ)で言ってるよね!」
と言われ、
私の頭の中は?でいっぱいになりました。
ここでは「プリメラベス」は使えないからです。

ファミリーの後、
かの子の手紙の場面をうたうとヌンカの意味が明確になってきました。
「初めてした」じゃなくて
「やった事ない」方の意味だったんだ!

この体験をして、
子どもたちが日本語を獲得していく過程と似てるなと思いました。
子どもが新しいことばを使った時に、
周りの大人たちは、
「このことばの意味を見つけたんだな」
と思うけれど、
別の日に同じことばを使ってるのを聞いて、
「あれ?やっぱり意味が分かってなかった?まだ、揺らいでる?」
と受け止める、そんな感覚だと思いました。

もし私がスペイン語圏に行って、
初めてしたことを話したくて「ヌンカ」を使うと、
正しく使えてる「ヌンカ」に対してはスルーされるけど、
そうでない場面で「ヌンカ」を使うときっと怪訝な顔をされるでしょう。
その時ようやく私は間違いに気づいて、
周りの人が話す「ヌンカ」をたくさん聞いて、
「ヌンカ」の意味を見つけ使えるようになるのだと思います。
こうやって、
YL生(イヤロン生:高校留学した子たち)は現地のことばを自然習得していくのだと気づきました。

長くなりましたが、話を最初に戻したいと思います。

この一連の「ヌンカ」の意味を見つけた体験から私が見つけた事です。

ヒッポでは教わる事なく、
べべのようにゆらぎながら、自分で意味を見つけていきます。
「Aのような意味かな〜?」
と投げかけると、
「ここにもあるよ!」
とヒントをもらえたりします。
その瞬間、
「自分が思ってた意味と違うかも?」
と考え始めます。
また、投げかけられた音に寄り添い始めます。

こういう体験を繰り返す内に、
自分が思っていたものと違うものを受け止めることが簡単にできるように変わっていきます。
それに加えて、
ファミリーで多世代、多くの人と活動することで、
自分の価値観と異なる人、異なる文化に触れ、多様性を受け止められるようになっていきます。

これが、私が見つけた、
「多言語をする意味」
です。

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話の内容がHippoの身内ネタになっているので

少し分かりにくいかもしれませんが、

要は、

ことばを自然習得する際 自分だけでなく 他の人からかけられたことばの影響もあって

こういう意味かな?違うかな?あれかな?

と ゆらぎながら 考えます。

その体験の繰り返しこそが

自分が思っていたものと違うものを受け入れる時の緩衝材となりうる。

広い視野と 大きな心で受け止められるようになっていく。

自分の価値観と異なる人、異なる文化に触れ、

様々なことを受け止められるようになっていくということじゃないかと

彼女は考えました。

それこそが 多様性。

つまり、

多言語環境こそ、

「多様性」を身につけるのに最適の場だということです。

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私も 過去にいくつか そんな話を書いていますが、

とりあえず今 3つほど見つけたので

過去の記事をはっておきます。

よければ 読んでみてください。

***

今回 彼女の このことばが耳に飛び込んできたのは

他でもない。。。

秋の講演会があるからかなと思います。

ちょうど 時を同じくして

秋の教育体験講座のチラシを作っていました。

タイトルは

『多言語で 世界を広げよう!
~「多様性」は多言語環境から~』

です!

まさに今同じことを 念頭に置きながら生活していたんだなと。

だから、心に飛び込んできたんだなと思いました。

***

ということで、上記したように

常々 多言語とは

決して 「~語~語」という言語だけの話ではないなと思っています。

そんなうわべの話ではなく

もっと深く広い意味でのことばだなと。

ただ、

狭義の意味も もちろん あって

それは 私からすれば

環境さえ作れば自ずと身についてくる

まさに ~語~語という「多言語」。

付録や特典のように

環境さえ整えれば

必ずついてくるものです。

本当に不思議ですが、

マレーシアにいたときより

圧倒的に マレーシア語が分かる 今日この頃。

先日NHKからペナン島で収録した番組が放送されましたが

あのとき後ろで話されてるマレーシア語がほぼわかって衝撃でした。。。

絶対こんなにわからなかったのに。。。

この自分の成長ぶりにびっくり🤣

そして、

この13年特に気合い入れて聞いたり真似したりしたわけでもない韓国語。。。

でも、話せる人が周りにいっぱいいる韓国語。。。

なんかわかるようになってきていてびっくりです。

他の言語も同じく。

日々じわじわ成長してます。

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